筋膜と経絡

前回のセミナーで、半数近く鍼灸師さんが参加してくださり、そこで筋膜と経絡の繋がりの話になりました。

 

ロルフィングの創始者のアイダ・ロルフ博士は、ロルフィングを体系化するにあたって東西の様々なボディーワーク、治療法、代替医療、心理学、哲学、ヨガ等を研究されていたそうです。この話はロルフ博士から直接ロルフィングを教わったジム・アッシャーの家にステイしていた時に何回か聞いた事がありましたし、ロルフィングの先生も現在ロルファー™の認定が受けられるのはRISIだけですが(ロルフィングの正式名称はStractural Integration(以下SIで省略)でSIプラクティショナーの認定校はその他いくつかある)、ロルフ博士は元々ロルフィングの学校を作る時に東海岸にMedical、西海岸にPsychological、ボルダーにEsotericに特化した3校を作る構想も持っていたそうです。

 

ロルフィングで主に扱う筋膜(結合組織)のネットワークは、東洋医学でいうところの経絡のラインと一致している箇所も多く互いに関係しているところがあります。

アナトミートレインの著者で有名なロルファーでもあるトーマス・マイヤース氏がその事について言及されているのを聞いた事がある方もいるかもしれません。

 

経絡の流れが見やすい動画を見つけたのでシェアします。

 

ロルファーがクライアントさんのからだをみる時に、「この症状にはこのツボ」という見方はしません。

筋膜を含む結合組織を主な媒体として、人間のからだが「全体としてのまとまり」と保った中で、身体の各組織や部位、それらが発する機能も含めて、全てが連動している姿をみています。

この動画では、経絡にまつわる臓器や部位が色に分けられて表示されていますが、これは視覚化できる範囲の限界がそうなだけであって、目に見えないところにも影響していると思います。

筋膜も経絡も、

「動きがある状態」
「流れがある状態」
「繋がりができている」
「動的なもの」として作用した時に初めて、その本来の機能を発揮できるようにできていると思います。
そこには、生命のエネルギーもおそらく関係しているので、いわゆる「エネルギー」や「気」と呼ばれるような領域にも作用する事になるんじゃないかなと思います。
ロルフィングのクライアントさんから、
「からだも楽になったけど、気分的にも凄く楽になった」
 と言われることがありますが、そういう時は、数値で測定化できるような変化がなくてみ、心身に生き生きとしたエネルギーの動きを、五感などを使って感じとっているのかもしれませんね。
そういう時は、自分の心身がよりよい方向に向かおうとすることにフォーカスしているので、その先の自然治癒力の速度も早まりやすくなっていいるように感じます。
僕が今勉強しているソースポイントセラピーとも凄く通ずるところがあるような気がしています。
「病は気から」とはよく言いますが、「健康や健全に向かうのも気から」なのかもしれませんね。
結局、アプローチの方法は違っても、登山ルートが違うだけであって目指す山頂は同じ(クライアントさんの健全)なんだなと思います。