胎生学ワークショップへの参加
10/7〜10/9にかけて、奈良県の国定公園信貴山山頂付近にある玉蔵院で行われた胎生学のワークショップに参加してきました。
日々ロルフィングのセッションをしている中で、筋骨格系や内臓、神経・血管系のワークで様々な良い効果をもたらす事もできるという事は実感していましたが、そもそも僕達がどのようにしてこの世界に発生して、どう発達していくのかという事が理解できれば、発生発達のプロセスから生まれてくる、筋骨格系や内臓、神経・血管系へのアプローチもよりシンプルになるのではないかなと思い今回のワークショップに参加しました。
講師はアメリカ人ロルファーでロルフィングだけでなくクラニオバイオダイナミクスセラピーの先生でもあるキャロルでした。
僕がボルダーで生活していた時にキャロルの親友であるシェリーの家にホームステイしていたご縁もありキャロルの話はずっと聞いていて、1度会ってみたいなと思っていたのです。
キャロルは噂に聞いていた通り、本当にハートフルで素敵な人でした。最近は日本でもヨガやマインドフルネス等が流行り、自分自身がニュートラルでいられることが大事だという言葉も聞かれる事が多くなってきたような気もしますが、ニュートラルを本当に体現している人はそうそういないのではないかなと思います。全ての事象は受け入れつつも、自分の軸が本当にしっかりとしているんだろうなと感じる方でした。
そういった方と同じ場を共有するだけでも自分自身の人としての在り方を見つめ直すきっかけにもなり、本当に貴重な時間でした。
ワークショップの内容としては、受精して人間の命が始まるところから8週間目までの胚になっていくプロセスを中心に学んでいきました。
簡単にまとめると以下のプロセスを学んでいきました。
1)受精から14日目まで
厳しい条件を抜けて精子が卵子と融合すると受精卵になります。まだこのタイミングでは自己というものの認識はありませんが、ここから一生命体として急激な成長を開始します。
受精が卵管で起こった後、細かい絨毛が卵を大事に大事に子宮まで転がしていきます。絨毛達が皆同じ動きをしないと卵は子宮まで降りてくる事ができず、着床に至らないと言われています。
その後、受精卵は胚盤胞と呼ばれるものになり、外側は栄養膜と呼ばれる細胞が並び、後にへその緒・羊膜・胎盤になります。
内側にも外側と寄り添って細胞が固まり、こちらは後に身体全体を形成します。
2)3ー8週間目まで
この期に受精卵は胚と呼ばれるようになります。
17日目までにそれぞれの細胞が身体のどの部分を形成するものになるのか決められていきます。
内側の細胞の固まりは3層のディスクになり、それぞれが折りたたまれて、外側の層(脊髄・脳等の神経系や皮膚)、真ん中の層(筋肉や筋膜、血管、心臓等)、内側の層(消化管等)を形成していきます。
このころから、胚自ら起こすプロセスも始まり、胚からこの世界との繋がりを作っていくプロセスが始まっていくと言われています。
僕達はもう大人ですから、この生命が発生していくプロセスに戻れるわけではないですが、人がこの世に発生し発達していくこの神秘的であり奇跡のプロセスにタッチや動き、空間を感じる事等を通して発生発達のプロセスに再びアクセスする事で、人が本来備えている健康・健全をつかさどっているブループリント(青写真)との繋がりができてくるのだなという事が自分自身の身体を通して体感できた事が1番の学びになりました。
実際、ここの所自分自身少し疲れが溜まっていて左の腰が重い感じがありましたが、マッサージやストレッチ、脊椎マニピュレーション等の徒手療法では抜けきれない程、腰がスッキリしています。
目に見えないものは敬遠されがちですし、僕も病院に勤務していた時はガチガチに理屈で固めていた人間だったので敬遠していましたが、ロルフィングの世界に入ってつくづく思う事は、自分の身体やクライアントさんの身体を通して経験した事や起こった事が事実であり、それが理屈では説明できないからといって決して目をそらしてはいけないし、目には見えないもの程大切で物事の本質をついているのではないのかなと思います。
超情報社会のこのご時世で、キャッチーなものや流行の情報に振り回されて疲弊している人が増えてきているように感じますが、改めて僕達はひいては僕達の身体は、自分達にとって何が大切なのか、どうすれば身体が楽になるのかを全て知っているんだなと感じた3日間でした。
今回のワークショップでまた色んなアイデアが浮かんできて、横浜に帰ってからの日々のロルフィングのセッションが楽しみで楽しみでしょうがないです。
ワクワクしながらの帰り道に、最高の景色と出会えてさらに幸せな気分になりました。